徒歩で羽田空港に行った話
1月第2週、まだ年末年始の休みボケから完全に醒めていない中、急に羽田空港に徒歩で行ってみよう!と思い立ちました。軽く下調べをし、行けると分かったので実行することにしました。ただ、まだ初詣にも行っていないんですよね。個人的なルールとして、自宅のある場所は旧鎌倉郡なので鎌倉の鶴岡八幡宮か、町内の守り神である近所の神社のどちらかに初詣に行かずに、先に他の神社仏閣に行くと失礼に当たると思っています。そのため決行日の前日の1/8(土)に、町内の神社に初詣に行ってきました。
京浜急行電鉄の穴守稲荷駅から穴守稲荷を参拝してから、徒歩で羽田空港に向かうことにします。昼過ぎに自宅を出発。穴守稲荷駅で駅のマスコットキャラクター「コンちゃん」の石像を横目に見つつ、14:30ごろに穴守稲荷に到着。昔はそれなりに栄えていた商店街があったであろう駅前を抜けてすぐの、住宅地の中に穴守稲荷があります。
穴守稲荷は、かつては現在の羽田空港B滑走路南端付近にありましたが、戦後GHQによる飛行場の拡張のために強制的に土地が接収され、やむなく現在地に移転したんだそうです。羽田空港まで徒歩で行くには、うってつけのスタート地点になりますね。御祭神は、豊受姫命だそうです。町内の神社にも祀られている神様と同じでした。そもそも日本には稲荷社が多く、町内の神社も稲荷神を祀っているので、ご縁があるのは必然なのですが……
普段から参拝客が多いからなのか、境内には砂利ではなく石板が敷き詰められており、周囲の住宅にほこりが飛んでいかないように配慮されていることに気がつきました。これは面白い。さて本殿に参拝したあと、本殿右側にある千本鳥居を抜け、伏見稲荷大社にならった稲荷山を登って参拝。稲荷山は最近作られたものだそうで、どうも近代建築感が否めません。そして御朱印をいただき、滞在時間15分ほどで羽田空港へ出発します。
千本稲荷の横の道を通って環八通りに出ると、すぐ正面にヤマト運輸羽田クロノゲートがあります。羽田クロノゲートはヤマト運輸としては国内最大の物流拠点であり、電気製品修理・医療機器の回収洗浄などの付加サービスの拠点でもあるそうです。完成当時、物流業界で話題になっていましたが、ここにあったのか!
近隣のスカイプラザの敷地内には、ボーイング747のフライトシュミレーターのコックピットが展示されています。かつてここに日本航空乗員訓練センターがあった名残で設置されたんだそうです。
再び環八通りを西に進みます。穴守橋を渡ると、左側はもう羽田空港です。ちなみに橋を渡ったところを左折すると、東京モノレール 整備場駅や、首都高速1号羽田線 羽田トンネル・羽田可動橋(使用休止)、東京航空地方気象台のドップラーレーダーのそばに行けます。
そのまま環八通りを進んでゆくと、柵の向こう側に格納庫が見えました。その外にはたくさんの旅客機が駐機しています。なかなかの壮観ですね。そして歩道と空港の柵の間の緑地で、コスプレイヤーとカメラマンが撮影をしていました。なかなか面白い場所で撮影してるなぁ。
しかし車も人も少ないなぁ。天空橋のそばにZepp Hanedaがありますが、このあたりにアウトレットモールやコストコなどが出店できる広さの土地あれば、もっと楽しく賑やかになったんだろうなぁ。
道路の右側には京浜急行・東京モノレール 天空橋駅があります。羽田空港第3ターミナルの近くには、最近できた「多摩川スカイブリッジ(羽田連絡道路)」があります。これは羽田空港と、対岸の工業地帯である川崎市殿町とをつなぐ大きな橋です。寄り道して橋を渡ってみようと考えていたのですが、車が通っている様子がありません。たしか東京オリンピックに間に合うように建設していたはず…と思い調べてみたら、新型コロナウイルス感染症の影響で完成が遅れ、3/12開通に変更になったとのこと。渡れなくて残念です。
さて羽田空港第3ターミナルの近くまでやってきました。目の前にある商業施設「羽田エアポートガーデン」が第3ターミナルと接続しているので、羽田エアポートガーデンから第3ターミナルに移動しようとしました。しかし、羽田エアポートガーデンは営業している気配がありません。それもそのはずで、2020年4月開業予定でしたがこちらも新型コロナウイルス感染症による国際線の旅客減少の影響で、開業延期になっていました。なお、この記事を書いている時点でも、開業のめどは立っていません。ただホテルだけは開業しているようなので、ホテルの車寄せがある東側に回ってみました。しかし宿泊者以外は、羽田エアポートガーデンの中に入ることはできないようです。困りました。この先は歩道もなくなり先に進めません。羽田エアポートガーデンと第3ターミナルの連絡通路の下に道がありそうなものですが、羽田エアポートガーデンの駐車場まで戻る遠回りな道しかありませんでした。(※環八通りを通れば、遠回りになりますが第3ターミナルまで歩いて行ける道があったのですが、当時はそれに気がつきませんでした。) すぐそばに第3ターミナルがあるのになぁ…… やむなく連絡通路の直下の、「東京国際空港 P5駐車場(国際線)」の出庫道路の路肩を通り、バスターミナルとの間にある植え込みを抜けて、バスターミナルから第3ターミナルに入りました。時刻は、もう15時です。連絡通路は羽田エアポートガーデンの2階につながっているのですが、連絡通路は閉鎖されていました。仮に羽田エアポートガーデンに入れたとしても、渡れなかったのですね。
第3ターミナルは国際線専用ターミナルですが、つくりは第1・2ターミナルと比べて簡素です。しかし外光が入るため明るく、天井も高いので開放感があります。特に実物の半分サイズで木造の日本橋が架けられていたり、江戸の町をイメージした店舗街が設けられていたり、イベントステージが設けられているのは面白かったです。ただコロナ禍で国際線の旅客が少ないということもあり、第1・2ターミナルと違ってほとんどの店舗が休業していました。ただ物販は羽田エアポートガーデンに任せるといった思想のようで、第3ターミナル内の店舗は和を感じさせる店舗を中心としているようです。
吉野家で遅い昼食をとったあと、展望デッキに出てA滑走路を離着陸する飛行機を30分ほど眺めていました。しかし、あんなに大きい機体が、身軽に空を飛べるだなんて、なんだか不思議です。
東京モノレール羽田空港第3ターミナル駅の券売機で、交通系ICカードの「モノレールSuica」と短期滞在の外国人向けの「Welcome Suica」をお土産代わりに購入し、ターミナル間連絡バスに乗って17時ごろに第1ターミナルに移動しました。
第1ターミナルは修学旅行で沖縄に行ったときと、9年前に叔母の九州旅行の付き添いで来たときに探索済みなので見学もそこそこにし、地下1階の連絡通路を通り第2ターミナルに移動します。動く歩道があるので、気分は京葉線東京駅の連絡通路でした。ちなみにこの連絡通路の上には、首都高速道路湾岸線が通っているんですよ。
第2ターミナルの展望デッキに出たころにはもう18時。外は暗くなっていました。しかし空港の夜景も、いいものですね。ちょうどいい暗さなので、展望デッキにはデート中のカップルもいました。展望デッキに出る通路はLEDで滑走路のように見せる演出がしてあり、素敵でした。
のんびりしすぎて19時になってしまったので、名残惜しいのですが、京浜急行電鉄第2ターミナル駅から帰宅の途に就きました。
というわけで、羽田空港には徒歩で行けるし、飛行機をぼーっと眺めるのも楽しかったです。