有休休暇の消化も兼ねて、年末に名古屋旅行に行ってきました。今回も備忘録としての記録なので、記述が雑ですがご容赦ください。
さて名古屋滞在は旧東海道を歩き通す徒歩旅行「東海道の旅」で進行具合の調整のために半日観光をした、13年前以来です※。よく聞いているPodcast「Hotcast」のパーソナリティのみっちーさんが名古屋在住というもあり、名古屋の話題が出るたびに、また行きたいなという思いが募っていたのですが、やっと行くことができました。
※スピンオフ企画「東海道の旅 自転車編」で来ているので正確に言うと5年ぶりの再訪です。ただし前回は滞在ではなく、自転車による名古屋通過でした。
12/25(土) 中央本線の旅
今回は「東海道の旅」と同時期に構想を立てていた「中央本線の旅」も実行に移すことにしました。「中央本線の旅」は、JR東日本・JR東海 中央本線の普通列車を乗り通し、名古屋まで行くという旅行計画です。本来は中央本線の起点である東京駅から始めたいところですが、いろんな都合で今回は八王子駅からスタートにしました。2日前に予定を大幅に組み替えた影響もあり、施設の営業時間・交通機関の時刻などの確認が必要になりドタバタしていたら、出発当日の睡眠時間が2時間に。睡眠不足状態での旅立ちはいつものことですが、2時間は前代未聞です。案の定、後日小さなトラブルが発生するのですが、それはまた後で。
移動は、金額に大差ないので普通にJRの長距離切符を買ってもよかったのですが、途中下車したくなるかもしれないので、今回も青春18きっぷを使用しました。またいざという時に備えて、「JTB小さな時刻表」を必要なページだけ解体して持っていきました。
まず地元の私鉄駅から八王子駅に向かいます。昨晩降っていた雨はやんでいたものの、湿度が高くて軽いもやがかかっていた朝でした。やや余裕をもって出発したため、地元駅から乗る予定だった各駅停車の1つ前の急行に乗車できました。そのおかげで、スタート地の八王子駅でも予定の電車の1本前に乗れたのですが、それが松本行き。本来なら高尾駅で乗り換えなければいけなかったのに、甲府駅まで乗り換えいらずで楽ちんでした。車内は大きなリュックを持った高齢のグループ登山客や、単語帳を片手に持った学生、小さい子供を連れた家族など、普段の地元の電車ではなかなか見ない組み合わせでした。高尾駅から甲府平野の手前の勝沼ぶどう郷駅までは秩父山地と南アルプスに挟まれたところを電車が通っています。このあたりの風景は山がとてもきれいなのですが、その代わりに人家がとても少なかったです。ただ甲府平野に入ると、このあたりで一番の平野だけあって見渡す限り家と畑が広がっていて、都市って感じでした。
早速、YBSネタ ルネラジの洗礼に…
途中、酒折駅で対向列車が異音を検知して防護無線発報したため、電車が遅延しましたが、次の乗り継ぎ時間には充分余裕があったので問題はありませんでした。
――酒折駅?
「やみつきクレープヒロシ」だ! そういえば、時間に余裕があればルネラジ(「髭男爵 山田ルイ53世のルネッサンスラジオ」)の聖地巡礼(?)として、クレープ屋さんに寄っていきたかったのを思い出しました。でも午後からの営業なので、まだ開いてないんですよね……
中央本線は塩尻駅~中津川駅の区間の運行本数が少ないので、ここを上手に乗り継ぐのが重要になってきます。そもそも予定の1本前に乗って来ているので、次の次の乗換駅 塩尻駅で接続する電車が来るまで、約1時間プラットホームで待つことになります。しかも今回は乗り継ぎの都合で、合計で約3時間待つことになります。待ち時間が嫌なら、塩尻駅で普通乗車券+特急料金を払って特急に乗り、名古屋方面行きの電車の運行本数が多い中津川駅まで行く方法があります。今回は青春18きっぷで各駅停車しばりのため、木曽路の宿場をめぐって待ち時間の約3時間をつぶすことにしました。
そういえば前々日の大幅な予定組み換えのときに、ルネラジの聖地でもあるゴッドカンパニー「ミート・高橋」さんに寄る予定を組み込めないか、いろいろ算段して結局断念したのを思い出しました。「ミート・高橋」さんに行くには、JR身延線に寄り道して市川本町駅もしくは鰍沢口(かじかざわぐち)駅で下車し、徒歩で山梨県富士川町青柳町まで行く方法しかありません。予定より1本早いこの電車であっても、歩いて往復するには時間が足りません。睡眠2時間にしてまで「ミート・高橋」をとるか、木曽路の宿場巡りをとるかという究極の選択でした。しかし木曽路巡りは「中央線の旅」の目玉の一つでもあったので、これをやめるわけにもいきません。そこで塩尻駅で乗り換えずに終点のJR篠ノ井線松本駅まで行き、そこから当初計画で乗り継ぐ予定であった松本駅始発の電車に乗ることにしました。
木曽路へ
甲府駅で乗り換え、甲府平野の北西、塩尻駅から松本駅方面に進んでいきます。この辺りには工場が多く立地しており、セイコーエプソンやナガノトマトなどの工場が見えました。ここが甲府平野の産業の中心地なのだなと感じました。松本駅到着時には、松本駅のちょっと変わった到着時の自動放送「松本ぉ~、松本ぉ~、松本ぉ~」を生で聞けて、ちょっと感激しました。ちなみに南松本駅に停車していた日本石油輸送のタキ1000形貨車(タンク車)を見たところ「根岸駅常備」と書かれており、こいつもはるばる横浜から来たのかと感慨にふけってしまいました。
2両編成の313系電車は、塩尻駅から中津川駅まではワンマン運転になります。313系は整理券発行機が座席背面に組み込まれているのが、ちょっと変わっていますね。バスや路面電車では、整理券発行機は単体で露出しているのが当たり前なのに。途中で乗客が体調不良で倒れるトラブルもありましたが、南アルプスと富士山の間にある木曽路を快調に進んでゆきます。
奈良井宿
この先の乗り継ぎの時間調整も兼ねて奈良井駅で下車し、奈良井宿を見学しました。空は晴れていますが雪がちらちらな天候で、素敵な宿場の街並みと相まってなんとも不思議な光景でした。奈良井宿は宿場町が1kmも続いており、これは珍しいことだそうですが、中山道自体が廃れてるので観光地としてあることでかろうじて集落としての体裁を保っているような町でした。ここで昼食をとろうとしたのですが、コロナ禍で道の駅のカフェは休業中。やむなく、宿場内の飲食店へ。観光地価格で割高ではあるものの、信州名物ということで五平餅定食(¥1,350)を食べたのですが、手打ちそばがボソボソで、出汁も薄すぎでした。なんだか罰ゲームのよう。おいしいご飯が食べたいよぉ……
ここで2時間過ごす予定でしたが、山の中の宿場町であり、他に見るべきところもありません。気温が暖かければベンチで本を読んでウトウトすることもできたのですが、雪がちらついているため、やむなく1時間で切り上げて次の木曽福島駅の福島宿へ向かいました。
福島宿
福島宿は奈良井宿よりも見るところがなさそうなので、2時間も時間をつぶすのはつらそう…… 一応宿場を歩いてきましたが、昔の面影はあまりない様子。どうにも時間がつぶせそうにないので、中山道を少し歩いてみることにしました。ただ時間的に次の駅までは歩けそうにないので、町中をぶらぶら散策しました。下車直後に次の駅まで歩こう!判断していれば、中山道を歩く時間は十分確保できたのですが…… いや、今回は歩き旅じゃないから!
駅のすぐ下に小型店舗のイオン木曽福島店があるせいか、この集落はそれなりに元気でした。それにしても、なぜここにイオンがあるのか。普通は、系列のマックスバリュが出店すべき場所です。しかも、もともとは別のスーパーだったような雰囲気の建物です。もしかして、ここはマックスバリュ東海の出店エリア外なのかもしれません。
しかしこの集落を歩いていると、アナウンサーが旧中山道のことを「1日中、山道」と誤読したというのエピソードも、あながち間違いではないのではないかと思いました。中山道は、ずっと谷筋なんですよ。あとは福島関所跡に行ったり、集落の中にある水力発電所 中部電力城山発電所を外から見たり。意外と広い町だったので、町ブラとイオンで2時間たっぷり時間をつぶすことができました。
中央線の旅、ゴール
そして再び電車に乗車します。落合川駅までは山間集落が続き、浪江駅あたりから町に、高蔵寺駅からは都会になってきます。このあたりで今夜の宿探しを開始しました。17時を過ぎると、目星をつけていた安宿・カプセルホテルが軒並み満室になりだし、なんとか探し出した宿もタッチの差で満室になってしまいます。
そして宿が決まらないまま名古屋駅に到着。「中央本線の旅」は無事ゴールしました。祝杯の代わりに、名古屋駅のプラットホームで評判の「名代 住よし」のきしめんをいただきました。「牛肉卵きしめん」を食べたのですが、ただ味は評判ほどでもないかなという感じでした。でも駅ナカとしてはレベルは高いかもしれません。
宿探しがはかどらず…
相変わらず宿探しがはかどらない中、数日前から髪を切りたかったことを思い出し、気分転換として髪を切ることにしました。名鉄名古屋駅の西改札口にQBハウスがあると知り、向かったのですが名鉄名古屋駅の場所が分からずJR名古屋駅の構内をウロウロ。どこにも近鉄名古屋駅の案内が見つかりません。一瞬見つけたのですが、それに従って進んでいくと、その先の案内がなくなります。実は、近鉄も名鉄も地下鉄もちょっと離れた別の建物の中にあり、また他社線の案内が軽視されているようです。これはちょっと……
トイレに行くために髙島屋に立ち寄ったのですが、店内に入るとカップルばかり。デートでプレゼントを買うために髙島屋にも人が密集しているようです。そうか、今日はクリスマスか。すっかり忘れていました。だから宿もすぐに満室になるのですね。
クリスマスだということを思い出した途端、頭の中にサクラ大戦2のクリスマスソング「奇跡の鐘」※が急に流れ出しました。あぁ、睡眠不足で頭が回ってないなぁ。
※リンク先は、舞台「新サクラ大戦 the Stage ~桜歌之宴~」の「奇跡の鐘 (太正二十九年版)」のもの。
JR名古屋駅の構造上、中央通路に人が集中する構造になっているので、駅構内はこのコロナ禍でも都内でもこれだけの混雑はなかなかない状態です。感染が怖くなったので、さっさとその場を離れました。
今夜の宿は「ニュー松竹梅ホテル」
なんとか近鉄名古屋駅を見つけ出し、QBハウスの待ち時間で安宿「ニュー松竹梅ホテル」(¥2,550 ※リンク先は楽天トラベルの紹介ページ)を確保しました。そして20時直前にチェックインしました。宿の部屋の広さは約3m×1.3mの激狭で、扉の幅が50cm。なんか倉庫みたい… って、これ日雇い労働者向けの簡易宿泊所(ドヤ)ですね。後で調べてみたところ、やはりこのあたりは昔はドヤ街だったそうです。アメニティはバスタオルと歯ブラシ・使い捨てサンダルだけで、あとは共用トイレと洗濯機・乾燥機・シャワールームだけ。部屋には時計も浴衣もないけれど、バスタオルが用意されているってところが面白いです。しかし、一度でいいからドヤに泊まってみたいと思っていたのですが、思わぬ形でその夢がかないました。ただ寝るだけの宿ですが、カプセルホテルよりは快適ですし、これはこれで面白い体験でした。
近くのマックスバリュ太閤店に夕食兼クリスマスディナー(?)と飲み物、明日の非常食を買い出しに行き、宿で食べました。しかし「東海道の旅」のときの癖で、ついデザートや飲料を買いすぎてしまいました。全然体力を使っていないので、食べ物を大量に買う必要がないのを、すっかり忘れてました。
ちなみに今日の歩数は24,760歩でした。