tech2memoの方に書いたほうがいいのかなと思いつつも、門外漢のたわごとなのでこっちに、番組を見て思ったことを書いておきます。
今日の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)のテーマはプライベートブランド商品でした。
日経スペシャル「ガイアの夜明け」 8月19日放送 第327回
台頭するPB商品 〜“価格”を制するのは誰だ〜
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http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview080819.htmlPB商品のメリットは、メーカー側では買い切り商品であることから廃棄・返品を処理するコストが要らないこと、工場の稼働率が上がること、安定的に売上が得られることがあげられます。
小売店側では、顧客のニーズにあった商品を開発することができる、問屋を通さないので利幅を削って価格を安くすることができることがあげられます。
いいことづくめに見えますが、もちろんデメリットも存在します。
大きな問題は、問屋を通さないため、問屋が担っていた商品の安定供給・価格安定化の機能がなくなってしまうことです。
PB商品のメーカーの工場・製造設備が災害で大破してしまった場合、商品の供給が停止してしまうため、代替商品が割高にならざるを得ません(複数メーカーに発注しているわけではないので、同価格帯での代替商品の確保が困難)。
また需要の増減が小売店の利益に大きな影響を与えます(問屋の、急な需要の増減の吸収機能がなくなる)。
原材料価格が高騰したとき、すぐに価格転嫁(値上げ)されます(薄利なので、利幅を削って急な価格変動を吸収することができない)。
メーカーでは、小売店が大量発注を取りやめた場合(メーカーを変えたり、発注量を減らしたり)、工場の稼働率が急激に低下し、急に経営不振に陥る可能性があります。
また、PB商品とNB商品が同じ市場で競合するため、味・量・品質が同程度なら、割高なNB商品は売上不振になります。
NBメーカーはPB専門(OEM供給)のメーカーに転換するという手もあります(実際に存在します)が、価格競争に敗れたメーカーは撤退。
小売店では、同じことをする限り、スケールメリットのある大規模スーパーが勝ち、地場スーパーは撤退することになります。
市場は寡占化します。
特に大規模スーパーは、地場スーパー・地元商店街を駆逐した後に撤退してしまうケースもありますから、地域経済に与える影響も大きいです。
薄利多売っていうのは量を売ってなんぼですから、どうしても薄給で過酷勤務になりがちですよね……
また「お客様は神様です」という言葉がありますが、実際は「お客様はわがまま」です。
量が減ったり値上がりすると、すぐに不平・不満が噴出します。
長年安定供給・安定価格に慣れ親しんだ消費者には、それが我慢できません。
小売店・メーカーは、それに耐えられるのでしょうか。
消費者は生活防衛に走らなければいけないのですが、それが食品業界、ひいでは消費者自身を追い詰めているような気がしてなりません。
だからといって、それをやめることはできないのですが。
これが、一時的な現象であることを願ってやみません。