きゃらりこ日誌

2021年08月

雑想 / 技術 / メモ

レトロな色って…?

先日、車体の一部をレトロな色に塗ったたキャノピーを見かけました。
この色彩センスは、かっこいいなと思ったのですが、そこでふと疑問がわきました。
昔の家電や家具などに使われていたレトロな色って、具体的にはどんな色のことなんだろう?
再現するとしたら、どうすればいいんだろう?
本田技研工業 ジャイロキャノピー
本田技研工業 ジャイロキャノピー

1970~80年代に使われていた色ということは分かりますが、40年以上前の製品を探すのはなかなか厄介そうです。
NHKでは協会色(NHK放送技術規格 BTS 001、廃止)、自衛隊では防衛省規格NDS Z 8201Eという独自の色見本があることを思い出しました。
また、たまたま立ち寄った書店で国鉄が使用していた色見本「国鉄車両関係色見本帳」をまとめた本「国鉄色ハンドブック」を見つけました。
しかし、どちらも色合いが落ち着いたものが多くて、レトロとはちょっと違う感じです。

そういえば産業用機器も、こんな感じの色を使っているなと思い出しました。
そこで高圧受電設備のキャビネットなどを作っている日東工業さんのカタログにたどり着きました。
同社が指定する標準色・準標準色を見ると、いい感じのくすんだ色が並んでます。
そこで「日本塗料工業会番号」という記載があることに気がつきました。
日塗工の標準色をすべて紹介しているサイトを見たところ、鮮やかだけどくすんでいい感じのレトロな色もたくさんありました。
お、これはいい感じ!
日東工業の標準色・準標準色
日東工業の標準色・準標準色
(日東工業「総合カタログ2012」14ページより)

日塗工の標準色見本帳の初版は1965年と歴史が古く、しかもレトロ色が使われていた時期とも合致してます。
塗装ものに関しては日塗工の標準色を参考にすれば、レトロ色は充分再現できそうです。

ちなみに塗装されていないプラスチック製品については、机上での文献調査に限界があるため、こちらの調査は断念しました。
ただ当時発売されていたプラスチック用着色剤が、そのまま使われていたのではないかと推測しています。
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