今年も「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」の時期がやってきました。
私は、NHKラジオの「ラジオ体操」の生放送に何度か参加したことがあります。
地元開催をきっかけに参加して以来、自宅から行ける範囲の会場には必ず足を運ぶようになりました。
さて、今年の神奈川県の会場は8月7日の伊勢原市総合運動公園です。
今回は私の家から会場まで遠すぎるため、残念ながら参加はかないません。
ですが、中にはマイクロバスをチャーターして、県内各所から駆けつけるガチ勢の方々もいたりします。
また指導者のお手本に忠実に体操するのは、意外と難しかったりします。
真剣に体操してみると分かるのですが、勢いを急制動で止めたり、急に別方向にそらさなければいけなかったり。
また、ジャンプの最後はふわっと着地しなければならなかったり、力を入れて動きを止めなければいけなかったり。
さらに最後の拍では前の動きの通りに動かずにふんわり止めて、1拍前に次の動作への移行準備に入らなければならないなど、罠が多すぎます。
そんなラジオ体操ですが、今回は少し変わった楽しみ方をご紹介します。
「ラジオ体操を音楽として聴いてみる」です。
実はラジオ体操って、音楽として聴くとかなり変わった曲なんです。
まずは、一度じっくり聴いてみてください。
体操用として作られていることもあり、動作に合わせて曲調がコロコロ変わります。
さわやかでのびやかだと思ったら、次の動作では元気で勢いよくなったり、軽快になったり、力強くなったり。
1曲の中で、これほどバリエーションが豊かな曲は、なかなかありません。
特に「ラジオ体操 第2」は、軽快に始まるぶん、動作と動作のつなぎが強引だったりするのも面白いです。
一方「みんなの体操」は、ヒーリングミュージックがブームだった1999年に作られたこともあり、癒し要素の入った穏やかな曲調です。
「ラジオ体操 第一」・「ラジオ体操 第二」と比べると、身体に無理のない動きで、動作のつなぎ目も緩やか。
音楽としても、非常に心地よく聴きやすい曲に仕上がっています。
そして、もう一つ注目してほしいのが、音源による演奏の違いです。
市販のCDやカセットテープの伴奏は、テンポがほぼ一定で丁寧な演奏です。
しかし、テレビやラジオの生放送の伴奏はまったく違います。
毎朝同じように演奏しているだけと思われがちですが、実は体操に合わせてかなり細かく演奏が変化します。
体操の動きに合わせて、テンポがかなり揺らいでいるのです。
難しい動きの部分ではタメを作ったり、テンポを落として演奏したりします。
逆に動きが早くなりがちな部分では、テンポを上げてさらっと演奏されるのです。
急な動作から静かな動きに変わる瞬間には、あえて演奏を一瞬だけ止めることさえあります。
さらに、伴奏のピアニストによっても個性が光ります。
現在、市販のCDやカセットテープの多くで伴奏を担当している大久保三郎さんは、スタンダードで、まさにお手本といった演奏。
故 名川太郎さんは、やさしく繊細で丁寧な演奏。
そして幅しげみさんは、元気でダイナミックな演奏といったように、聴き比べてみると同じラジオ体操とは思えないほど印象が変わるのも面白いところです。
一方で、「みんなの体操」は通常、録音音源が使用されるため、生伴奏を聴く機会が少ないのが少し残念です。
「みんなの体操」の生伴奏を聴きたい方は、「夏季巡回ラジオ体操・みんなの体操会」に参加してみるのもおすすめです。
生実演・生演奏に加え、ラジオ体操ワンポイントレッスンもやってくれますよ。
次にラジオ体操を耳にするときは、きっと「あの動作のつなぎ目、強引だな……」とか、「今日のピアノ伴奏は幅さんだから、張り切っているな!」なんて邪念(?)が生まれてしまうかもしれません。
でも、それもまたラジオ体操の嗜み方のひとつだと思います。
これからは体操のための伴奏ではなく、一曲の音楽として聴いてみるのも面白いかもしれません。
テレビやラジオで流れるラジオ体操にも、ぜひ耳を傾けてみてください。
プロの伴奏者による演奏の違いが、きっと聴こえてくると思いますよ。
