中国の通販サイト「AliExpress」を覗いていたところ、日本の「ハクキンカイロ」にそっくりな白金触媒式カイロ「怡冬 HANDY WARMER」が販売されているのを見つけました。
本家ハクキンカイロは今年で103周年とのことで、特許権の有効期限はすでに切れています。
そのため、コピー商品を作ること自体にも問題はありませんし、購入することにも問題はありません。
価格が¥928とお手ごろなこともあり、試しに買って使ってみました。

内容物
内容物は、本体、注油カップ、ベルベット調の袋、そして中国語で書かれた説明書です。
注油カップは、Zippoハンディウォーマーの付属品とそっくりな形状をしています。
袋のひもは長めで、首から下げられる長さになっていました。
ちなみに説明書ですが、表紙の写真はZippoハンディウォーマーに似た製品の写真が使われており、内側の使用方法の写真では通気孔が蝶型の製品が使われています。
中華製品あるあるとはいえ、製品の出来が良い分、こんなところがいい加減とは意外でした。

仕様
パッケージの表記によると、持続時間は12時間、温度は60℃とのこと。
ただ、説明書には50℃とも書かれています。
あれ?
説明書には燃料としてZippoオイルを使用するよう記載されています。
ハクキンカイロではカイロ用に調製されたベンジンを使用しますが、本製品はZippoハンディウォーマー・海外仕様のハクキンカイロと同様にZippoオイルを使う仕様のようです。
本体の大きさはハクキンカイロとまったく同じで、蓋をハクキンカイロのものと交換することも可能です。
ただし、使われている金属の厚みはハクキンカイロよりも厚めで、蓋についてはハクキンカイロよりも精度が良く、緩むことなくカッチリとはまります。
また、蓋の通気孔はハクキンカイロの孔雀型を真似たデザインになっており、クジャクの体の部分が二重丸のような形に変更されています。

ただ、本体表面はメッキされているものの、下地の処理はいまいちのようで、質感はややザラザラしています。
もっとも、付属の袋に入れて使うため、実際の使用では特に気になることはありません。

火口
火口のサイズについては、ハクキンカイロの火口の内径が幅31.5mmなのに対し、本製品の火口は29mmとなっており、両者に互換性はありません。
なお、こちらもハクキンカイロより精度が良く、緩むことなくカッチリとはまります。
火口に使われている金属も、同様にハクキンカイロのものよりも厚めです。

一方、本体側の取り付け口について見ると、ハクキンカイロでは火口を取り付けやすいように、わずかにカーブして、断面がR加工されていますが、本製品では直線的な形状になっています。
ただ、バリ取りはされています。
実際に使って分かったこと
それでは、実際に使ってみます。
燃料については、前述のとおり本来はZippoオイルを使用するよう指示されていますが、今回はハクキンカイロの推奨品で、匂いが少ない恵美須薬品化工「ハクキンカイロ指定 エビスベンジン」を使いました。
まず、燃料を吸収する綿の位置が、本体の口からやや下に詰め込まれていたため、少し引っ張り出して位置を調整しました。
この調整をしておかないと、燃料の供給が悪くなってしまうんですよね。
そして注油カップ2杯分のベンジンを入れました。
次に、火口に火をあててみると、最初はビニールが燃えたような酸っぱい匂いが出ます。
ただし、熱が触媒全体に行き渡ると、その匂いはすぐに収まります。
ハクキンカイロの火口では、初使用時でもこのような匂いは出ないため、この点は少し残念に感じました。
また、火口に火をあてる時間を長めにしないと、触媒反応が始まりづらい点も残念です。
ただ、ひとたび触媒反応が安定してしまえば、使い心地はハクキンカイロそのもので、まったく遜色はありません。
温度については、通気孔がハクキンカイロよりも大きめなせいか、かなりの高温になります。
その分、持続時間は短めになります。
まとめ
怖いもの見たさの人柱として購入した「怡冬 HANDY WARMER」ですが、想像していたよりも完成度は高く、充分に使える白金触媒式カイロでした。
金属の厚みや蓋・火口のフィット感など、意外にも本家よりしっかりしている部分も見受けられました。
一方で、火口の初使用時の匂いや触媒反応の始まりにくさ、説明書のいい加減さなど、細かな点ではやはり中華製品らしさを感じる部分もあります。
安心感や品質の安定性という点では、本家ハクキンカイロに軍配が上がるのは間違いありません。
とはいえ、価格を考えれば、本製品も充分に選択肢になり得る存在です。
白金触媒式カイロを試してみたいという用途には、悪くない選択肢だと感じました。