きゃらりこ日誌

読書記録 2004年9月分

今月は学校が始まってしまったので、ちょいと少なめです。

  • ABC殺人事件 (アガサ・クリスティ/田村隆一 訳/早川書房)  NHKでやってるアニメ「アガサクリスティーの名探偵ポワロとマープル」の第6話「ABC殺人事件 その2」を見逃してしまったので借りてきたんですが、うっかり最後まで読んでしまいました。 おかげで、アニメと原作の違いが分かってよかったですけど。しかし読みづらいわなぁ。 早川書房の翻訳ものは、あたりはずれがあるという話を聞いたことがありますが、どうやらハズレっぽい。
  • 空色勾玉(荻原規子/福武書店(現 ベネッセコーポレーション))  平安以前の時代のお話です。「お江戸でござる」で蓄積した知識のおかげで、時代背景等がなんとか理解できました。
  • 語り手の事情 (酒見賢一/文藝春秋)  借りてくる本間違えちゃったなぁ、って感じです。とても人前では読めません。 読み終わってから気がついたんですが、表紙からしてヤバイじゃないですか。 ヴィクトリア朝の英国の、妄想が力を持つ不思議な屋敷が舞台です。 メイドさんがSMしたり、女性になりたい貴族の男性が性転換するとか。 文章に妙な説得力がある反面、読んでいて気持ち悪くなったりしました。
  • サラリーマン荒野をゆく (鈴木岳人/文芸社)  同僚のオーストラリア大陸横断旅行の記録を基にして書かれた似非ドキュメンタリー本です。 よく新聞紙等で「あなたの原稿を自費出版しませんか」という宣伝がありますが、この本はそれです。 私の経験では、この手の会社の本は9割がハズレ本ですから仕方ないですが。 内容のほうは著者の体験ではないので、リアリティがなくて全然つまらないです。
  • 口語訳 亀甲鶴 β版 (小栗風葉/由乃 訳/まほうつ会)〔厚木市立中央図書館所蔵〕  「β版」という言葉に魅かれたんですが、原作に忠実に訳せてないという意味でした。 明治時代の作家 小栗風葉の小説を現代語訳にしたものです。 訳者は小栗風葉の文体を崩して翻訳しまったことを悔やんでましたが、ただの読書好きの私にとっては、読みやすくてよかったです。 付録に8cmのCD-ROMがついていました。 中身を覗いていないのでよく分かりませんが、原文・図版等が収録されているようです。 原文は西鶴調で書かれているそうで、巻末に掲載されていたんですが非常に読みづらかったです。 酒造りの工程の説明のなかに、物語が書かれているという構成です。 訳を読む限りでは、時代物の小説ですね。 以下ネタばれです。 記憶だけであらすじを書いているので、多少の間違いはあると思いますが、こんな感じです。 傾きかかった老舗の蔵元 尾張灘が、借金を重ねて原料を仕入れ、再起をかけて一か八かの大勝負に出る。 主の康右衛門は役人に申請した量よりも多く酒を密造して、その利益で蔵元の再起を図ろうとし、これを杜氏たちにもちかける。 だが杜氏たちは、これをネタに給料を上げろと強請(ゆす)るが、康右衛門はこれを拒否。 杜氏たちに逃げられてしまうが、主の娘 お杉に惚れていた又六だけが戻ってきて、俺に酒を作らせてくれと言い出した。 又六は実直だが、愚鈍で造酒の下働きしかしたことがなく、主は返答を渋るが、替わりの杜氏が確保できず背に腹は変えられず、認める。 杜氏は、いつも下働きをしてもらっている近所の農民を使って何とかしのぐ。 しかしある日、役人 彭沢が抜き打ち検査に来て密造がばれてしまう。 ところが何のお咎めもない。実は、以前からお杉に好意を抱いていた彭沢は、結婚することで、密造に目をつぶることにしたのだ。 又六は、それを知らず、とうとう見事な酒を完成させる。 最後の仕上げをしている最中、なにやら母屋が騒がしいので覗きにいくと、彭沢とお杉の結納が行われているという。 それを知り、ショックを受けた又六は煮えたぎる酒の中に身を投げてしまう。 結末はとっても切ないです。 なお、この本は自費出版で市販されていないため、寄贈図書として収蔵されていました。